EC運用

【おすすめ4選】クラウドECとは?ASPとの違い・サービス比較!

【おすすめ4選】クラウドECとは?ASPとの違い・サービス比較!

「クラウド EC」とは、クラウド上でECのサイトを構築するサービスのことです。

EC運営には、自社でECサイトを制作・運営する自社運営型と、大手ECサイトに出店するモール型の2つがあります。

この記事では、クラウド ECを始めるための手順やポイント、おすすめのEC運営代行会社などをご紹介します。ECビジネスを始めたい法人や個人の方は、ぜひ参考にしてください。

クラウドECとは何か

クラウドECとは、ECサイトの運営に必要なハードウェアやソフトウェアを、インターネット上のクラウドサーバー上に置いて提供するサービスです。

サーバーの管理や保守、アップデートなどの作業が不要で、柔軟にサーバーのスペックを変更できるため、コスト削減やスピーディーなサイト構築が可能となります。SaaS(Software as a Service)と呼ばれる提供形態に分類されます。

 

他の構築サービスとの違い

ECサイトの構築、運営方法にはさまざまな種類があります。例えば、ASPやECパッケージ、フルスクラッチなどです。

クラウドECは中規模以上の企業向けで、サーバーなどシステムのインフラをほとんど任せることができます。

クラウドEC ASP ECパッケージ フルスクラッチ
導入期間 ~6カ月 ~3カ月 ~18カ月 ~24カ月
拡張性 高い 低い 高い 高い
セキュリティ 高い 高い ふつう ふつう
最新性 高い 高い 未対応 未対応
対象企業 中規模 小規模 中規模以上 大企業中心
初期費用 500万~ 30万~ 600万~ 1000万~
月額費用 数十万 数万 数十万 数十万

他のECサイト構築サービスについて詳しく知りたい方は、下記記事をご参考ください。
【関連記事】【個人・初心者必見】ECサイトの作り方とは?費用や手順、選び方解説!

ここからは、クラウドECと似ていると言われているASPとECパッケージとの違いについてそれぞれ説明していきます。

クラウドECとASPの違い

クラウドECとASPは、両方ともインターネットを介してサービスを提供する形態ですが、主に「カスタマイズ性」、「外部システムとの連携」、「費用」の3つに関して大きく異なります。

クラウドECは、ASPと比べ、自社にあったカスタマイズができる一方、価格が高くなってしまいます。

クラウドEC ASP
カスタマイズ性 高い 限定的(サービスによる)
外部システムとの連携 高い 限定的(サービスによる)
初期費用 100万~500万円 0~300万円
月額費用 5万~30万円 3万~5万円

初めてECサイトを作る方には、ASPはおすすめですが、今後のことを考え、自社のシステムとも連携させたい方には、クラウドECをおすすめします。

クラウドECとECパッケージの違い

クラウドECとECパッケージは、ECサイト構築、運用の費用が似ていますが、主に「カスタマイズ性」、「アップデート」、「セキュリティ」の面で異なってきます。

クラウドEC ECパッケージ
カスタマイズ性 高い より高い
アップデート 自動 定期的に手動で
セキュリティ性 高い 高くない
サーバー構築 専門人員 不要 必要

ECパッケージのメリットは、拡張性の高さです。基本的にはどんなカスタマイズもできるため、国内の大規模ECサイトの多くは、ECパッケージが使われています。しかし、カスタマイズを行う人員が必要になります。

クラウドのECのメリットは、システムの自動アップデートです。ECパッケージでは、システムが大体3〜5年で陳腐化するため、その度、費用と時間をかけ、自身でアップデートを行う必要があります。クラウドECでは、業者側が都度アップデートを行ってくれるため、手間をかけずに最新のシステムを利用できます。

思いのままECサイトをカスタマイズしたいという方にはECパッケージ、カスタマイズはある程度で十分で運用にあまりリソースを割けないという方には、クラウドECがおすすめです。

クラウドECを利用するメリット

クラウドECを利用するメリットは、以下の4つです。

・システムが常に最新
・セキュリティが高い
・低コストで利用できる
・簡単に構築できる
・拡張性が高い

それぞれ詳しく説明します。

システムが常に最新

ITや技術のスピードは非常に早いため、何もしなければサイトのシステムも古いものになってしまいます。そのようなシステムを更新するためにシステム改修が必要になり、それに伴うコストもかかります。しかし、クラウドECのシステムは常に最新情報に保たれているため、改修のコストが発生しません

セキュリティが高い

クラウドECが信頼できるサービスの場合、自社でセキュリティのリスク管理を行うよりも安心感があると言えます。例えば、クラウドECのシステムも最新のセキュリティ対策を常に保つことが非常に重要です。しかし自社での対策には限界があり、セキュリティ問題に追いつけず、トラブルを引き起こす可能性があります。クラウドECを提供する企業は、顧客を獲得するためにセキュリティに力を入れている場合が多く、多くの企業が利用するクラウドECはセキュリティ面でのメリットがあると言えます。

低コストで利用できる

クラウドECは基本的に追加費用が抑えられるというメリットがあります。パッケージECやフルスクラッチの場合、後から機能を追加するには費用もその分多くなるのです。初期費用に変わりが無い場合はクラウドECの方がコストパフォーマンスが高い場合があります。

簡単に構築できる

クラウドECの場合、必要なシステムなどインフラは全てクラウド上に置かれることになるため、サーバーなどが必要なくなります。そのため、ECサイト構築に対するハードルも下がるでしょう。また、どのようなECサイトにしたらよいのか全くわからない場合でも、ECサイト運営のアドバイスを提供しているサービスも多くあります。

拡張性が高い

クラウドECはASPなど他の構築サービスと比較してもそれぞれの会社に合ったECサイトの構築がしやすいです。これは、インフラなど共通の領域とカスタマイズできる領域を分けていることにより可能になっています。

クラウドECを利用するデメリット

メリットが多くあるクラウドECですが、デメリットもあります。主なデメリットは以下の4つです。

・プログラムコードが未開示
・比較的費用や開発期間がかかる
・開発費などが自社資産にならない
・それなりにコストがかかる

それぞれ詳しく説明します。

プログラムコードが未開示

ソースコードとはサイトを作るための設計図のようなものです。多くのクラウドECパッケージはソースコードを開示していません。自社で保守管理をしたい企業や、オンプレミスが導入の条件となっている企業が導入するのは困難です。

比較的費用や開発期間がかかる

クラウドECもシステム開発の部類に入るため、サイトの開設までには早くても3カ月はかかります。長い場合は1年近くかかる可能性もあります。おおよその目安として半年かかると見込んでおきましょう。

開発費などが自社資産にならない

クラウドEC構築にかかるシステム開発費や導入費は、経費処理扱いとなります。自社資産として扱うことはできないため、システム開発費を自社資産として計上したい場合においてもデメリットとなるでしょう。

それなりにコストがかかる

クラウドECは他のECサイト構築方法に比べてランニングコストがかかりづらいとはいえ、初期費用等は安いとはいえません。そのため、個人事業など小規模で運営することを考えている人には向いていないかもしれません。

 

 

クラウドECを利用するべき企業の特徴

クラウドECを利用するべき企業の特徴は以下の2つです。

年商10億円前後の中小規模

クラウドECを導入する企業規模の目安は、年商1億円〜20億円だと言われています。

これより規模が大きくなると、より拡張性が必要になってきます。顧客管理や商品管理と連携させたり、顧客のニーズに合わせるために独自のカスタマイズを導入したりなど行うことになるため、ECパッケージなどがおすすめです。

一方、まだ、ここまでの規模がない企業は、初めはASPなどをおすすめします。ASPと比べると、クラウドECはやはりコストが高くつくため、企業の予算を圧迫する可能性があります。

自社で運用リソースを割けない

クラウドECは、運用に手間がかからないという大きな特徴があります。

クラウド上で完結するため、自社でサーバー、インフラを用意する必要がなく、アップデートに関しても自動で行ってくれるため、自社内にサーバー構築についての知識を持つ人員を確保する必要がありません。

人員が必要ないにもかかわらず、システム・セキュリティに関しては常に最新版を利用できる点が、クラウドECの大きな魅力です。

クラウドECの導入方法と手順

クラウドECを利用しようという方向けに具体的な手順を解説します。

導入フロー

利用するクラウドサービスの選定

EC市場の拡大に伴い、現在はさまざまECクラウドサービスがあります。提供しているサービス内容から自社に合った会社を選びましょう。詳しい選び方については後述しています。

要件定義

ビジネスの目的やECサイトの機能、デザイン要件、決済処理や在庫管理などの要件を明確に定義し、運用までのフローの確認を行います。ユーザーエクスペリエンス、セキュリティ要件、モバイル対応なども考慮しながら、ECサイトの仕様を詳細にまとめましょう。

設計・開発・デザイン

要件定義で決めた内容に基づき、システムやサイトの設計、開発、デザインを行います。サイト作成において、最も重要な要素はユーザビリティです。

ユーザーに一番アピールできるポイントのため、オリジナリティを出すことは重要ですが、サイトが重すぎたり、操作性が悪かったりするサイトでは、ユーザーが離脱しやすくなってしまいます。

デザインの段階からではなく、設計の段階からユーザビリティを意識してサイト作成に取り組みましょう。

システム・外部連携テスト

システム構築が完了したら、動作確認を行います。テスト時には、各機能が正常に動作するか、性能や安定性が保証されているか、セキュリティ面での脆弱性がないかなどを確認します。テスト結果に応じて、不具合の修正や設定の調整を行いましょう。

公開

テストを繰り返したのち問題が無ければ公開します。

クラウドEC選びのポイント

提供されているクラウドECにはさまざまな種類があります。どのような基準で選ぶべきかを解説します。選ぶ基準・ポイントは以下の4つです。

・ECサイトの目的を明確にする
・連携サービスを考慮する
・カスタマイズの柔軟性があるか
・複数社に見積もりを取る

それぞれ詳しく説明します。

ECサイトの目的を明確にする

自社がどのくらいECでの売り上げを考えているのか、ECサイトを構築する必要があるのかどうかをしっかりと見つめなおしましょう。

ECサイト構築には大きなコストがかかります。場合によってはモールに出店した方が利益が得られる可能性もあります。

連携サービスを考慮する

現在、EC市場にはさまざまなサービスが参入しています。例えば顧客データの分析サービスや接客ツール、ログイン連携やサイト内検索などです。

クラウドECのサービスを提供している会社がどのくらいのサービスと連携しているのかは、サービス選定の一つの指針になります。また、連携サービスの数が多ければ良いわけではありません。自社が求めるサービスが連携されているかが重要です。

カスタマイズの柔軟性があるか

インフラなどのサーバーを任せたい人が多く利用するクラウドECですが、どのくらいのカスタマイズが可能なのかは多くの人が重視するポイントです。

実績を確認し、実際にどのようなサイトができているのかを確認しましょう。

複数社に見積もりをとる

見つけたサービスが一見完璧に見えても、複数社と比較するべきです。

クラウドECは長期的な利用になるため、何か不満要素があった場合にすぐにサービスを変更することが難しくなります。

おすすめのクラウドECサービス4選比較

クラウドECを利用する際におすすめのサービスを紹介します。

ebismart

ebismart
ebismartは株式会社インターファクトリーが運営するECプラットフォームです。ECサイト構築ツールSaaS型カスタマイズ型市場で4年連続シェアNo.1という実績があります。ただクラウドECのサービスを提供しているだけではなく、モール型への対応や、BtoB向けのサイトの構築にも対応しています。

特徴
・SaaS型カスタマイズ型 EC構築ツール導入実績No.1
・顧客企業ごとに専任の運用サポート
・ユーザー限定の少人数制ワークショップの開催

従量課金プラン 固定料金プラン レベニューシェアプラン
初期費用 300万円〜 300万円〜 1,000万円〜
月額費用 詳しくはお問い合わせください。 詳しくはお問い合わせください。 毎月の売上金額の2.5%〜

メルカート

メルカート
メルカートは株式会社エートゥジェイが提供しているサービスです。サイトの構築だけではなく、サポートが充実しているのが特徴で、クラウドECプラットフォームにおいてサポート満足度1位を獲得しています。

特徴
・EC構築20年超の国産システム、実績No.1のノウハウ
・満足度の高い多様な機能
・EC専門スタッフによる対応

費用
初期費用:19万円~
月額料金:5万円~

GMOクラウドEC

GMOクラウドEC
GMOクラウドECはGMOメイクショップ株式会社が運営しています。特徴は、目的や事業に合わせたさまざまな構築方法があることです。例えば、オークションに対応したものや、メーカー直送に対応したシステムの構築などがあります。

特徴
・柔軟なECシステム構築・基幹システム連携
・毎月無償アップグレード
・納品後にもお電話・メール・掲示板など充実したアフターフォロー

標準プラン 専用サーバープラン
初期費用 110,000円(税込) 220,000円(税込)
月額費用 60,500円(税込) 110,000円(税込)

aishipR

aishipR
aishipRはスマホ経由のユーザビリティに特化したクラウドECです。モバイルファースト設計を売りにしており、「スマホで売れる」を実現してくれるサービスです。

特徴
・スマホ経由のユーザビリティに特化
・検索エンジンに最適したサイト作成
・柔軟な機能カスタマイズに対応

エントリーン ベーシック アドバンス
初期費用 2万円 3~7万円 10万円
月額費用 9,800~16,800円 19,800~59,800円 89,800円

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。クラウドECのメリットやデメリット、サービス選定の際のポイントや導入方法などについて解説しました。ECサイトの構築方法にはクラウド以外にもさまざまな選択肢があります。自社のECにおける目的を明確にして、適切な構築、運営方法を選びましょう。

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株式会社ウィズワーク / 代表取締役社長
杉村 昌宏
監修者写真
1971年生まれ。 京都大学理学部を卒業後、大手総合商社に入社。衛星放送ビジネスなどの事業開発を手がける。2000年にリクルートへ入社。ネット事業などの企画、システム開発を担当。 2007年にクロス・マーケティングへ入社。2012年同社取締役就任(現任)。2014年クロス・マーケティンググループ取締役就任(現任)。 2019年にクロス・マーケティンググループの新規事業としてウィズワークを設立し代表取締役社長に就任。 クライアント企業におけるマーケティング領域での活動に、競合他社にはない「 コミュニケーション力と、確動性を備えた、高度ディレクター人材」「 マーケティングフレームと定量分析に基づいた、的確な運用提案力」を強みとしたデジタルアウトソーシング事業を展開している。