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カゴ落ちとは?基本データから原因と改善方法までを解説

カゴ落ちとは?基本データから原因と改善方法までを解説

ECを運用していると誰もが悩む問題、「カゴ落ち」。
ユーザーがカゴに商品を入れたまま、購入せずにサイトを離脱してしまうことを指します。

「ユーザーそれぞれで理由が違うのだから、仕方がない」と諦めている人も中にはいるのではないでしょうか。ですが、その原因を突き止めれば、カゴ落ちを防ぐことは可能です!

この記事では、そのようなカゴ落ちの原因や改善方法を紹介します。

改めて知りたい「カゴ落ち」とは

カゴ落ちとは、商品を選択し買い物カゴに入れたのにも関わらず、最終的には購入せずにサイトを離脱してしまうことをいいます。

カゴ落ち率の計算方法

カゴ落ち率を算出するには、購入に至った合計を作成されたカートの数で割り、1から引きます。これを100で割って、パーセンテージ表記に直したものが、カゴ落ち率です。

例えば、作成されたカートが500個、購入完了が200個のときは、

{1-(200÷500)}÷100

カゴ落ち率は60%となります。

カゴ落ちの基本データ

世界のECサイトのカゴ落ち率の平均は7割ほどであるといわれています。カゴに商品を入れた10人の中でたった3人しか購入に繋がらないと考えると、かなりの数です。

しかし、この値は世界の平均であるため日本の大手ECサイトの平均カゴ落ち率は40~50%であるとのデータが出ています。この値は取り扱う商品によって差がありますが生活必需品を扱っており、優良なサイトでのカゴ落ち率は10%前後の場合もあります。

業界 平均カゴ落ち率 目指すカゴ落ち率
生活必需品 50% ~20%
化粧品 70% 25~35%
アパレル 80% 30~40%
家具 80% 40~50%

 

 

カゴ落ちの原因

商品がカゴ落ちしてしまう大きな原因は以下の5つです。

・不安要素がある
・購入までの手順が煩雑
・決済方法が限られている
・アクシデントが起きる
・追加費用が高いと判明する
・到着日が遅いと判明する

以下それぞれについて詳しく解説します。

不安要素がある

顧客にとって、購入に至るまでに不安要素があることはカゴ落ちの原因になります。

例えばセキュリティ面が心配なサイトではクレジットカード情報などの個人情報を入力することに抵抗を抱く可能性があります。

購入までの手順が煩雑

このことも、カゴ落ちが起こる大きな原因です。個人情報を取り扱うECサイトでは多くの場合セッションタイムアウトを設定しますが、手続きが煩雑すぎてセッション切れになってしまうこともあります。

顧客目線では、せっかく入力した情報をまた一から書き込む必要があるとなると、購入を諦める人もいるでしょう。

購入までのステップが長すぎるのは、購入しようという意思を弱める原因になります

決済方法が限られている

最近はさまざまな決済の方法があります。多くのECサイトではクレジットカード決済を設定していると思いますが、その他にも電子マネー決済やQRコード決済などが増えてきました。

また、若年層のECサイト利用率も増加しているため未成年者が契約できないクレジットカード決済のみにしか対応していないと、カゴ落ちの原因になります。

アクシデントが起きる

クラッシュやエラーなど何かしらのアクシデントが起こる場合も考えられます。アクシデントが原因で起こってしまっているカゴ落ちの改善はECモールの場合特に難しいです。

しかし購入までにかかる時間が長ければ長いほどアクシデントは起こりやすいため、購入までの手続きを簡略化することはアクシデントへの対策にもなります。

追加費用が高いと判明する

かご落ちの原因の1つとして追加費用が想定していたよりも高いということがあげられます。

例えば、追加費用としては、手数料や送料があります。手数料が高すぎると、表示価格と実際の支払金額のギャップによって顧客の購入意欲が下がってしまう恐れがあるのです。

到着日が遅いと判明する

到着予定日が遅いことはEC運営においては大きなディスアドバンテージになります。

例えば、Amazonであれば注文後二日以内に商品が到着するのが一般的になりつつあります。そんな中で、到着に一週間かかってしまうようでは、ユーザーはもっと早く商品を届けてくれる企業に注文をすることになるでしょう。

改善方法4選

商品のカゴ落ちの改善方法を前述した原因に則って解説します。

商品のページに情報を細かく記載する

カゴ落ちを改善するためには送料や手数料、配送にかかる時間や会員登録が必要である点などを詳細に記載する必要があります。

このときに大切なことは、わかりやすく表示することです。例えば、価格は送料込みの値段なのか否かや、発送までにかかる時間は営業日のみでの換算なのか等です。

商品のアピールポイントばかりが目についてこれらの情報が分かりづらくなっていませんか。カゴ落ちが改善しない場合は、今一度確認してみましょう。

購入までのステップを減らす

購入までの手順が煩雑であることがカゴ落ちの原因になるということは前述しました。

これらの手順を出来る限り削ぎ落した例として最も有名なのが「1-Click(ワンクリック)」というAmazonが開発した技術です。その名の通り顧客は1回クリックしただけで商品を購入できるもので、ワンクリックで購入できる点と、複数の注文要求を1つの注文に結合する点から米国で特許が認められました。(現在は特許の期限が切れており、誰でも利用することができます。)

世界最大の規模を誇るAmazonも重視しているこの方法は実行すべきでしょう。ワンクリック購入とまでは言わなくとも、購入までのステップ減らせるようにシステムを見直すべきです。

詳しくはこちらをご覧ください!
【関連記事】Amazon運営代行とは?業務内容や選び方を徹底解説します

サイトのサーバーの強化や改善を行う

自社ECサイトの場合はサーバーを改善することにより、クラッシュやエラーを防ぐことができ、カゴ落ち率を改善することができます。

また、サイトのセキュリティを見直すことは、顧客の信頼を得られ、個人情報保護に関する不安が原因であるカゴ落ちを防ぐことができるでしょう。

詳しくはこちらをご覧ください!
【関連記事】ec制作代行業者の選び方と費用、おすすめの会社を紹介!

カゴ落ちメールを送る

商品をカゴに入れた顧客のなかには、何かしらの原因で購入を中断しそのまま忘れている人もいるかもしれません

このような方にアプローチするためにはカゴ落ちメールが有効です。カゴ落ちメールを送るタイミングは自由に設定することができ、例えば在庫が少なくなったとき、値下げしたときなどに送られることが多くなっています。

カゴ落ち対策ツール3種比較

カゴ落ちを対策するツールは主に以下の3種類です。

・カゴ落ちメール(レコメンドメール)
・決済フォーム改善ツール
・Web接客ツール

それぞれ詳しく説明します。

カゴ落ちメール(レコメンドメール)

カゴ落ちメールとは、カゴ落ちしてしまった顧客に対してメールを送ることです。買い忘れの防止や購入の再検討を促します。

<ツールの選び方>
・カゴ落ちメールを送る頻度や期間がどのくらいか。
・メール文の作成は簡単か。
・費用は従業課金制か固定月額制か。

費用も大事なポイントではありますが、顧客に響くようなメールを送れるツールを選びましょう。

決済フォーム改善ツール

決済フォーム改善ツールとは、ECサイトの決済手順をわかりやすくしたり、決済手段を増やしたりするために役立つツールです。

<ツールの選び方>
・必須項目の表示の強調やエラー表示、入力補助機能があるか。
・ユーザーの離脱位置が分かるような分析はできるか。
・どのような決済手段を導入できるか。
・料金体系は、CV数(コンバージョン数)によって変わるか、月額制か。

決済フォーム改善ツールで特に重視したいのは、ユーザーの離脱分析ができるかどうかです。ユーザーがどの地点、どういった理由でカゴ落ちしてしまったのかを把握することで対策を取ることができるでしょう。

Web接客ツール

Web接客ツールとは、Webサイトに訪れたユーザーに対し、オンライン上で接客を行うことです。実店舗での接客と同様に、顧客からの疑問に答えたり、おすすめの商品を勧めることでサイト上の売上拡大やコンバージョン獲得に貢献します。

<ツールの選び方>
・顧客に対するお知らせはどういったものができるか。
・ポップアップ型かチャット型のどちらか。
・チャットがAIか有人のどちらか。
・サポートサービスは充実しているか。

Web接客ツールで特に重視したいのは、ポップアップ型かチャット型のどちらを選ぶかである。自身の製品やサービスの性質に応じて選ぶことで、ユーザーの心理に的確にアプローチできるでしょう。

おすすめのカゴ落ち対策ツール6選

ここでは、おすすめのカゴ落ち対策のツールを「カゴ落ちメール」、「決済フォーム改善ツール」、「Web接客ツール」の分けて、それぞれ2つずつ紹介します。

SaleCycle(カゴ落ちメール)

SaleCycle

「SaleCycle」は、株式会社クローバーテックが運営しているカゴ落ちメールのツールです。

【特徴】
・離脱しようとしているユーザーに対して、リアルタイムでポップアップを表示できる
・カゴ落ちしたユーザーに対して直後にフォローメールを送信できる
・カゴ落ち状況の集計・分析、カゴ落ちアイテムの見える化、ABテストなどの分析機能が
標準装備されている

【費用】
・完全成果報酬型課金

Cuenote(カゴ落ちメール)

Cuenote FC

「Cuenote」は、ユミルリンク株式会社が提供するカゴ落ちメールのツールです。

【特徴】
・大量・高速配信が可能
・カゴ落ち発生状況がグラフ形式で見える
・HTMLエディター利用した目に止まりやすいリマインドメールを作成できる

【費用】
・初期費用:3万円、5万円
・月額費用:5千~15万円

スマートUPフォーム(決済フォーム改善ツール)

スマートUPフォーム

「スマートUPフォーム」は、Vogaro株式会社が提供する決済フォーム改善ツールです。

【特徴】
・サーバーインストール型のため、ランニングコストが不要
・他社ツールと比べて短期間で導入が可能
・「リアルタイムエラーチェック・表示」や「カタカナ・ひらがな自動変換、全角・半角自動変換」など、ユーザーのフォーム入力のサポート機能多数装備

【費用】
・初期費用:60~180万円
・月額費用:0円

BOTCHAN EFO Premium(決済フォーム改善ツール)

BOTCHAN EFO Premium

「BOTCHAN EFO Premium」は、株式会社wevnalが提供する決済フォーム改善ツールです。

【特徴】
・離脱率を最小限に留める、豊富なEFO機能
・項目ごとの回答率や回答内容を記録し、レポートにて確認できる
・業界トップ水準のAPI連携数

【費用】
お問い合わせください。

SELF for EC(Web接客ツール)

SELF for EC

「SELF for EC」は、SELF株式会社が提供するWeb接客ツールです。

【特徴】
・ECサイトのすべての商品及び、ユーザー行動を自動で解析
・コミュニケーションAIによるパーソナライズされた「会話」と「商品提示」
・シナリオ設計や商品解析が自動化されているため、導入企業の運用リソースがかからない

【費用】
お問い合わせください。

Zendesk(Web接客ツール)

Zendesk

「Zendesk」は、Zendesk, Inc.が提供するWeb接客ツールです。

【特徴】
・定型的な質問にはチャットボットが対応し、複雑な質問には有人で対応可能
・会話内容や顧客情報は統合型のワークスペースに一元化されるため、顧客の背景情報をひと目で確認できる
・様々なツールとの連携が可能で、多種多様な顧客の問い合わせ方法に対応できる

【費用】
・月額費用(ベーシック):49~99ドル/月
・月額費用(エンタプライズ):150, 215ドル/月

まとめ

この記事では、カゴ落ちについての基本の情報から原因、改善方法などを解説しました。購入方法について情報を細かく記載すること、購入までのステップを減らすことが重要な点として挙げられています。この記事を参考にカゴ落ち率を改善し、ECでの売り上げの増加を目指しましょう。

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株式会社ウィズワーク / 代表取締役社長
杉村 昌宏
監修者写真
1971年生まれ。 京都大学理学部を卒業後、大手総合商社に入社。衛星放送ビジネスなどの事業開発を手がける。2000年にリクルートへ入社。ネット事業などの企画、システム開発を担当。 2007年にクロス・マーケティングへ入社。2012年同社取締役就任(現任)。2014年クロス・マーケティンググループ取締役就任(現任)。 2019年にクロス・マーケティンググループの新規事業としてウィズワークを設立し代表取締役社長に就任。 クライアント企業におけるマーケティング領域での活動に、競合他社にはない「 コミュニケーション力と、確動性を備えた、高度ディレクター人材」「 マーケティングフレームと定量分析に基づいた、的確な運用提案力」を強みとしたデジタルアウトソーシング事業を展開している。